月信8月号
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 №8  3 この講演から導かれる一つの「模範解答」は、おそらく、質を問う視点を変えることで、質の問題を「数を獲得する武器」に変えることだといえるでしょう。そのためには、良くも悪くも「名士の社交クラブ」と称されてきた古典的なクラブのモデルを離れ、クラブのために意義ある活力を備えた人材を広くクラブに迎え入れること、そして、そのポテンシャルをクラブの活力に変え、クラブの中に、これまでとは異なる形の「親睦と結束」を生み出すことです。DEIの推進は、正にそのための効果的な武器となります。会員増強の真の主役は、クラブの活性化であると言い換えることもできるでしょう。 思えば、会員の数はクラブの活力や健全性を示す指標であり、それまでのクラブの活動の成果としての側面が強いように思われます。地道な取り組みの成果であれば、目先の数に目を奪われて汲々とすることばかりが会員増強ではないことになります。 このような思いもあり、当地区では、個々のクラブの活動性を高めることに注目し、クラブで真摯に取り組んでいただきたいことを12項目にわたってお示して、当年度の重点的な取組事項としております。重視されるのは、クラブを活性化して魅力を高め、社会に注目される存在であり続けること、そのためにクラブの開放性を高め、これまでとは異なる視点からクラブのために意義ある活力を常に取り込むことです。 クラブの活性化こそが基盤であることによく思いを致してください。そうすれば、会員数は自ずと付いてくることでしょう。息の長い取組です。一喜一憂することなく、心ひとつに着実に取り組んでまいりましょう。聞こえてきそうです。一定数の退会者が出ることには避け難い一面もあり、数を増やす努力を怠れば会員数は自ずと減少に向かいます。徹底的に数にこだわる姿勢も同じく重要ですし、質を問題にすることが会員増強の努力を放棄する言い訳になってしまっては、元も子もありません。 「数か質か」、このように問いを立てたのでは、正解を見つけることは困難ですし、生産的な議論にもなりません。ここに正解を見つける上で、ゴードン・マッキナリーRI会長のテーマ講演がとても参考になります。 一つのヒント(RI会長のテーマ講演) 当年度(2023-24年度)のRI会長のテーマ講演では、具体的な会員増強目標や数への明示的な言及がありません。それ以前には、「穴の開いたバケツ」(マローニー会長)、「Each one Bring one」(メータ会長)など、会員増強に特に力点を置いたコメントがあったことを想起すると、異例なことのようにも思います。しかし、その内容をつぶさにみると以下のようなコメントがあり、ここに真に意義ある会員増強のヒントがあるように思います。是非、かみしめながら読んでみていただきたいと思います。 「会員の数は非常に重要ですが、DEIを全面的にサポートすることは、単に会員数を増やすことを意味するわけではありません。DEIの最も重要な側面は、ロータリーを、どこからであれ最高の人材、最高のアイデア、最高のパートナーシップを受け入れるオープンでインクルーシブな組織にすることです。人びとがロータリーを見たとき、そこに自分自身を見ることができる必要があります。そうなることができるかどうかは私たち次第です。」一つの模範解答ーDEIは武器となる

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