『月信』6月号
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 6月号 No.13  3いに語り合い、学び合い、相互に高め合う。この切磋琢磨を通じて個々人の中に向上が生まれ、一層価値ある社会貢献が可能となります。この相互の高め合いの場で育まれる信頼感と友情、これを「親睦(Fellowship)」と称する。ロータリーの伝統的な用語例における「親睦」は、このように理解されているといってよいでしょう。ここでの「親睦」は「自己研鑽・切磋琢磨」とほぼ同義となり、さらには「例会」そのものともイコールに近い関係となります。例会の意義は、しばしば「入りて学び、出でて奉仕せよ」の標語に集約して表現されますが、このような切り口からみれば、この標語は親睦のことを述べていると言っても過言ではないでしょう。そして、親睦は「向上」から「奉仕」へと連なるものであり、「親睦と奉仕」は例会を通じて一如となるわけです。しばしば「ロータリーは(ただの)社交クラブではない」と誇り高く宣言されるのも、こうした背景を踏まえてみるとよく理解できることでしょう。 以上は図式的に単純化して表現していますし、論者ごとの表現の幅からみても、古典的な概念の説明としてかなり硬い方の捉え方になるかもしれません。しかし、日本のロータリー100年の伝統の中で、このような考え方が価値あるものとして大切に伝承されてきたことを理解し、尊重することは、今日においても意義深いことだと思います。親睦の用語を月間のタイトルとするこの6月に、このようなことに思いを馳せてみるのも同じく意義深いことだと思います。 このため、月間のタイトルである「親睦活動」も「親睦」の本来の意義に照らせば、単なる懇親会や同好会、レクリエーション活動とは異なるということになります。厳密に言えば、例会が親睦の場として有意義に機能するようにバックアップをする活動が「親睦活動」の中心になるといえるでしょう。こうした定義も大切にすべきものではあります。 しかし、お互いをよく知り、友情を育むための場所や機会は例会だけに限られません。多くの交流を通じてより信頼感が深まり、そのことが例会での交流をより有意義で価値あるものにしていくという関係にあることも忘れてはなりません。親睦活動は、もっと多面的で重層的で、軟らかく、そして楽しく、豊かな内容をもつものとして理解されてよいはずです。このようなことにも思いを致していただきたいと思います。 さて、以上を踏まえてロータリーの友6月号、当月配信の「ロータリー親睦活動月間」のリソースを参照してみてください。RIプログラムとしての「ロータリー親睦活動グループ」のことが詳しく紹介されています(https://www.rotary.org/ja/our-programs/more-fellowships)。ここで紹介される親睦活動は、クラブレベルでの親睦活動とは異色に感じられるはずです。ロータリーがこれほど国際的な広がりを備えていることを是非肌で感じていただきたいと思います。より軟らかく広がりのある「親睦活動」へむすびに代えて~ロータリー親睦活動グループ

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