『月信』6月号
12/30

12 の10月に魚の侵入を防ぐための漁網を設置し春を待ちました。[アカモク投入の前と後] そして2024年の3月に水中観測を行ったところワカメの繁殖を確認出来ました。大成功です!しかし残念ながらアカモクの再生は叶いませんでした。これによる最大の成果は、沖ノ島の磯枯れはイスズミと言われる藻食魚の圧力が主原因であることが判明したことです。イスズミは昔からいる魚ですが、海水温が16℃以下になると活動しなくなります。しかし地投入直後漁網の設置藻食魚の「イスズミ」一週間後球温暖化の影響で海水温度が下がらなくなり、海藻が成長を始める12月頃にも海藻を食するようになり、新芽を食べるようになり海藻が成長できなくなったメカニズムと考えられます。最近、ウニの食害による磯枯れは有名になりましたが、この検証結果を見るとウニは居ないのに海藻は再生しませんでした。しかし藻食魚の対策をしたところ海藻が再生しました。つまり沖ノ島の場合はウニの食害よりも藻食魚の圧力の方が強いということです。磯枯れの原因は地域によって様々で、今回の結果が全ての地域で当てはまるものではありません。それぞれの地域の原因を追究して対策を行うことが重要だと思います。 今後はアワビやサザエの好物であるカジメやアラメなどの海藻再生にチャレンジ出来たら嬉しいと思っています。しかしカジメ類の再生はワカメほど簡単ではないので、上手くいくか分かりません。もし成功したあかつきにはアワビの放流も叶えたいと考えています。 世界遺産「沖ノ島」を有する宗像ロータリークラブは、世界遺産の海を守ることも重要な使命だと考えております。このような取り組みは長期的な活動になるので、無理せずコツコツと頑張って行きたいと思います。2023年 沖ノ島海底沖ノ島海底 ワカメ宗像RC豊かな海づくりプロジェクト「藻場再生」活動のその後について豊かな自然プロジェクト

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る