『月信』6月号
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 6月号 No.13  11国際・社会奉仕委員会委員長プロジェクト名命と感じ、宗像ロータリークラブでは2022年より藻場再生活動を始めました。最初の藻場再生は2022年に宗像市の大島で「アマモの移植」作業を行いました。アマモは食用ではありませんが、他の海藻類と同様の作用があり、小魚の隠れ家や魚の産卵場所にもなるため「海のゆりかご」とも呼ばれています。砂地で育つ海草なので田植えをするような要領で移植出来るため、移植活動には親子連れの方など約60名の皆様に参加頂いて作業を行いました。実施から3年が経過した現在は、枯れてはいませんが広がってもなく現状維持の状態です。監修をして頂いている九州大学の川口名誉教授によれば「自然のことなので気長に見守る必要がある」との事でした。 その後2023年には世界遺産「沖ノ島」で藻場再生にチャレンジしました。一般的には沖ノ島は好漁場の印象がありますが、20~30年前頃から磯枯れが始まりだし、現在は海藻がほとんど無い状態です。磯枯れの原因としてウニの食害が有名ですが、沖ノ島は5年前頃からウニも居なくなりました。つまりウニも生息出来ないほど海藻が無いということです。先ず2023年の4月に大島からワカメの胞子を持つメカブと大型藻と言われるアカモクの卵がついた海藻を沖ノ島に持参し、それをネットに入れて沈めました。その一週間後に確認したところネットからむき出しにしていたアカモクは魚の食害を受けて無くなっていました。そこで、このままの状態だと発芽した海藻が魚に食べられる可能性があると考え、海藻の芽が出る前2022年 アマモ移植開催日:2022年〜 場所:マリンワールド海の中道と周辺の海 日本の国土面積は世界第61位ですが、排他的経済水域を含めると世界第6位の広さを有する海洋大国です。地球温暖化対策が世界問題になっていますが、最近の研究で海を活用したCO2排出抑制が注目を集めています。地球の7割は海で、陸上よりも海の方が二酸化炭素の吸収が良いことが分かっています。その中でも海草藻場が海のCO2の77%を吸収しています。しかし日本国内における海草藻場は1年に2~7%の割合で減少しており海藻類の消失率は半世紀前の7倍になっており、対策を講じなかった場合には20年後にはほとんどの藻場が消失する可能性があるとも言われています。 また日本政府は陸上のグリーンカーボンだけでは2030年までにCO2を46%削減する目標を達成することは困難と判断し、今後は海を活用してCO2を削減することに力を入れていくことを表明し、ブルーカーボンクレジットの導入も開始しました。 そのようなことから海洋国日本に住む者としてまた世界遺産の海を有する地域として、海の再生は使葦津 幹之(宗像RC)豊かな自然プロジェクト宗像RC豊かな海づくりプロジェクト「藻場再生」活動のその後について

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