『月信』5月号
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4 これらは極めて大きな変化です。ロータリーの奉仕プログラムでなくなったのですから「青少年奉仕」のカテゴリーから外れますし、いずれ地区委員会の位置付けそのものを変更する必要があったのも当然のことです。また、同じ視点からみれば、ローターアクトがロータリーと同格であるならローターアクトもPETSや地区研修・協議会へ出席するのか、ガバナーはローターアクトも公式訪問するのか等々、従来からみれば「そんな馬鹿な」と思えるような疑問が次々に湧き出てくるはずです。当地区ではこうした当然の疑問に運用を整合させるだけの実務的な備えができておりませんでしたが、当年度に集中的に論点を整理し、思い切った変更を行うだけの一応の準備が整いつつあります。24-25年度以降には実施可能なところから逐次制度又は運用を変更していくことになります。ローターアクトを提唱されているクラブは是非注意をお願いします。 ローターアクトは、プログラムの対象から自立したプレーヤーへと立場を変え、いま正にロータリーによる「庇護からの独立」が求められています。見方を変えれば、非常に厳しい環境の変化に晒されているということでもあります。ロータリーとしても、これまでのようにただ庇護するだけという向き合い方はできませんが、ローターアクトの自立を促進し、その自活力の増進を支えるという視点は必要であり、そのような支援を行うことが重要になるでしょう。そのための向き合い方として、行動計画の視点(「参加者の基盤を広げる」)を参考にしながら、ローターアクトと一種のパートナーシップを切り結び、相互に補完し合って活力を高め合うような関係性を構築できないか、それぞれのクラブで考えていただきたいと思います。これは、私が地区研修・協議会において示した視点のひとつでもあります(月信7-2月号4ページ4⑹)。是非ご参照いただきたいと思います。 ローターアクトには希望の芽もあります。当地区では最初の大学基盤ローターアクトとなる帝京大学福岡ローターアクトクラブが発足しました(月信2月号27ページ)。注目の成長点であり、提唱クラブ(大牟田北ロータリークラブ)との新しい関係性がどのように育まれていくか、今後の展開に注目したいと思います。他に先駆けて模範を示すような素晴らしいクラブに成長することを期待します。 もう一つ、ローターアクトと類似した性格を備えるクラブ形態に衛星クラブがあります。この衛星クラブとの関係でも何かしら好ましい相互作用を紡ぎ出す工夫ができないか、この点もひとつの視点になるように思います。 さて、忘れてはならない視点のひとつに「危機管理」の問題があります。国際青少年奉仕プログラムでの取扱いを発端とする課題意識ですが、今ではその裾野を大きく広げ、幅広い対象を取り込む重要な課題意識へと変化しています。 既に国際青少年交換プログラムにとどまらず、青少年関連プログラム全般(米山を含む)に対象を広げており、ときにはロータリアンの非行まで対象に取り込む課題意識となりました。また、かつてのようにハラスメントの問題だけにとどまらず、事故や災害時対応などもこの分野の問題として扱われるようになり、危機事象の予防から発生時における緊急対応手順の確立までの各段階を視野に入れ、様々な取組が進められるようになっています。災害時相互支援協定の締結、ボランティア誓約書の改訂整備等も着実に進められており、危機管理研修も定期的に開催されるようになっております。 代表的なリソースとして「ロータリー青少年保護の手引き」があります。この機会に理解を深めてください(https://my-cms.rotary.org/ja/document/rotary-youth-protection-guide)。 青少年奉仕はロータリーの活動全体に関わる課題意識の揺れや動きをビビッドに反映しています。それだけやり甲斐に満ちた奉仕活動の分野であるということもできるでしょう。5月冒頭には本年度の青少年奉仕月間リソース集が皆様のお手許にも配信されるはずです。是非この機会にいろいろなリソースを参照し、理解を深めていただきたいと思います。青少年奉仕—危機管理のホットスポットむすび

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