『月信』5月号
21/34

安アンネン然(中国)リュウ席の場で発表する歌の表現という視点から考え、その歌がどのような工夫をして<恋情表現>を使っているのか、その場で如何なる共感を呼ぶのかを研究しています。 古い時代から日中両国の交流が多いことが数々の文献に残されています。日本の上代文学と日中比較文学の研究を進める中で、〈漢字文化圏〉という概念についての理解が深まったと感じています。 この度、ロータリー米山記念奨学生になることができ、世話クラブの皆様に大変お世話になっており、ほんとに感謝しております。これをきっかけに、奨学生とロータリアンの方々と国際的な交流を深めたいと考えています。 将来、在学中に取り組んだ研究をさらに詳しく進めて行き、国際的な考え方を持つ、日中比較文学の分野における、きちんと指導できる立派な研究者になるつもりです。5月号 No.12   21福岡女子大学日中比較文学部博士2年生世話クラブ:大川RCカウンセラー:添島喜久雄国際的な考え方を持つ、立派な研究者になりたい 国際ロータリー第2700地区2023年度ロータリー米山記念奨学生の劉安然と申します。現在、福岡女子大学大学院・人文社会科学研究科・言語文化専攻の博士後期課程2年生です。出身は中国の河北省の保定市で、北京のすぐ南にある小さい町です。  大学時代、中国語訳の『万葉集』を読んだきっかけで、日中の交流やそれを反映する文化・文学に関心を持つようになりました。異文化に触れて、国際的な経験を積んで国際的な考え方を身につけたいと考え、且つ、素晴らしい研究者や環境の中で、教養を身につけて充実した研究生活ができるように日本への留学を決めました。 大学院に入学してから、万葉集を中心にして比較文学的な研究を行っています。博士前期課程で、万葉集における大伴旅人の作品について比較文学的な研究をしました。後期課程に進学後、作者を限定せず、万葉集における〈恋情表現〉について研究しています。相聞の表現を考えるだけではなく、〈知識の共有〉が必要である宴席歌における<恋情表現>にも重きを置き、宴劉

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る