バドミントンシニアからのチャレンジ 試し読み
9/13

第Ⅱ部 シニア初級編 | 93高齢者に優しいシャトルの提案―スピードの出ないスローシャトルで高齢者バドミントン人口を増やそう―“バドミントンは動きが激しいスポーツ”ということで高齢者から敬遠されているのではないだろうか。確かにシャトルスピードは速く、体の動きも激しく、他のスポーツ(たとえば卓球やゴルフなど)に比べスタミナも必要でしょう。しかし、これは若いパワフルな選手同士の話です。高齢者同士のバドミントンはいくら経験を積んでいたとしても、パワーも、スタミナも落ち、長いラリーは続きません。おそらく今使われているシャトルで高齢者の初心者同士がプレーしたなら、ほとんどラリーにならないのではないかと予想できます。それは、今使われているシャトルが小さく、空気抵抗が少ないためシャトルスピードが速く、打ちにくく、コントロールしにくいせいだと考えています。それなら高齢者向けにスピードの出ない、打ちやすいシャトルをつくってはどうでしょうか。風船とまではいわないが大きなシャトル、軽いシャトル、空気抵抗の大きなシャトルの開発です。私は“スローシャトル”と名づけてみたい。これならスピードが出ないので高齢初心者でも興味がわくのではないだろうか。ソフトバレーやラージボールで高齢者のバレー人口や卓球人口を増やしています。バドミントンのシャトルも高齢者に優しいスローシャトルを取り入れてはいかがでしょうか。それにより高齢者のバドミントン人口が増えれば健康寿命の延伸につながり一石二鳥です。もちろん、今使われているシャトルを否定しているのではありません。高齢者でも元気でパワフルな人はスピードの出ないシャトルでは物足りないだろう。当然、全日本バドミントン選手権や国際大会で開催される試合では従来のシャトルが必要です。ジュニア、学生、若者など活力あふれる人たちには現在のシャトルが適しています。ここで提案しているのは高齢者で、かつ初心者でもバドミントンをしてみたいと思う人には「空気抵抗の大きな、スピードの出ないスローシャトル」も面白いだろうという発想です。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る